はちみつのラベルの見方:純粋・加糖の違いと「国産」「原産国」の読み方

はちみつのラベルは、裏の一括表示の「名称」と「原材料名(かっこの中の国名)」、そして枠の外の「1歳未満」の注意書きを見れば、中身と採れた国がほぼわかります。

はちみつには、業界の表示ルール「はちみつ類の表示に関する公正競争規約」があり、加藤美蜂園本舗(サクラ印)や武州養蜂園、杉養蜂園など49社が正会員として参加しています。このルールを知っておくと、「純粋」「国産」「アカシア」といった言葉がどこまで信用できるのか、自分で判断できるようになります。

このページでは、ラベルの項目ごとに何がわかるかを表で整理し、実際に売られている商品のラベルを例に、純粋・加糖の違いや原産国の読み方を解説します。

先に結論:目的別に、ラベルのここを見る

国産だけのはちみつがほしい

武州養蜂園 国産純粋蜂蜜 750g

6,696円(100gあたり893円)

店で買うなら原材料名が「はちみつ(国産)」、または原料原産地が「国産」だけのもの。条件を見る

採れた場所や採った人まで知りたい

春日養蜂場 国産はちみつ 600g×2本

7,400円(100gあたり617円)

店で買うなら県名・地名や採蜜年月を書いた養蜂場の商品。県名表示のルール

毎日使う、手ごろな純粋はちみつ

サクラ印 純粋ハチミツ 1000g

1,660円〜(100gあたり166円)

店で買うならスーパーのはちみつ売り場。かっこ内の国名の順番を確認。読み方を見る

花の名前で選びたい

武州養蜂園 アカシア蜂蜜 花の露 500g×2本

2,849円〜(100gあたり285円)

店で買うなら花の名前と採蜜国がセットで書かれているもの。花の名前のルール

マヌカハニーを正規品で

マヌカヘルス MGO263+(UMF10+)250g

4,300円〜(100gあたり1,720円)

店で買うなら日本語ラベルの「輸入者」と「原産国」を確認。売り場の一覧

はちみつのラベルの見方:一括表示の項目と、それぞれでわかること

はちみつの容器の裏や側面には、枠で囲まれた「一括表示」があります。公正競争規約が決めている項目と、それぞれからわかることを整理しました。

はちみつの一括表示の項目と、わかること
項目書き方の例ここでわかること
名称(品名)はちみつはちみつそのものか、ほかの糖を加えた加工品か。「純粋」や花の名前はこの欄には書かない
原材料名はちみつ(国産)
アカシアはちみつ(ハンガリー)
中身がはちみつだけか。花の名前があれば単花蜜。かっこ内は採れた国(採蜜国)
原料原産地名国産/中国、アルゼンチン、その他採れた国。原材料名のかっこに書いてあれば、この欄は省略できる
内容量500g重さ。gかkgで書く決まりなので、100gあたりの価格を計算できる
賞味期限2028.10おいしく食べられる期限。年月で書くのが基本で、年月日でもよい
保存方法直射日光を避け、常温で保存保存のしかた。規約の例は「直射日光を避け、常温で保存すること」
原産国名ニュージーランド外国で容器に詰めて輸入した商品だけに書く。日本で詰めた商品にはこの欄がない
製造者・加工者・輸入者・販売者輸入者 ○○株式会社表示に責任を持つ会社と住所。問い合わせ先にもなる
枠の外の注意書き1歳未満の乳児には与えないで下さい。乳児ボツリヌス症についての注意。規約で表示が義務づけられている

名称は「はちみつ」。「純粋」や花の名前はここに書かない

名称の欄には、規約が定める種類の名前(はちみつ・甘露はちみつ・巣はちみつなど)を書きます。全国はちみつ公正取引協議会の解説では、この欄には「純粋」や花の名前は書けないとしています。

商品名が「純粋アカシアはちみつ」でも、名称は「はちみつ」になっているのがふつうです。逆に、名称が「加糖はちみつ」「シロップ」など、はちみつ以外の名前なら、ほかのものが入っています。

製造者・輸入者・販売者の違い

一括表示の最後には、表示に責任を持つ会社が書かれています。「製造者」は容器に詰めた会社、「輸入者」は外国で詰めた商品を輸入した会社、「販売者」は自社の名前で売る会社です。

スーパーなどのプライベートブランドでは、製造した会社との合意で販売者を表示できます。製造所が「+」で始まる記号(製造所固有記号)で書かれている場合は、ラベルの問い合わせ先などで製造所を確かめられます。

欄がなくても違反とは限らない

原材料が1種類なら「原材料名」の欄、原材料名のかっこに採れた国を書いたなら「原料原産地名」の欄を省略できます。外国で詰めた輸入品で、原材料がはちみつ1種類、採れた国と詰めた国が同じときは、両方を省略できます。日本で詰めた商品には「原産国名」の欄はありません。

「はちみつ」「純粋はちみつ」「加糖はちみつ」「精製はちみつ」の違い

店や通販でよく見る4つの呼び方を、中身とラベルでの見分け方で比べました。いちばん大事なのは、「純粋」と書いてあるかどうかより、名称と原材料名に「はちみつ」以外の言葉がないかです。

はちみつの呼び方と中身の違い
呼び方中身ラベルでの見分け方
はちみつみつばちが花の蜜を集めて巣で熟成させたもの。規約の品質基準(組成基準)に合うもの名称が「はちみつ」、原材料名が「はちみつ」か「○○はちみつ」だけ
純粋はちみつはちみつ以外のものが混ざっていないはちみつ。中身は上の「はちみつ」と同じ商品名に「純粋」「Pure」。一括表示の名称は「はちみつ」
加糖はちみつはちみつに異性化液糖などの糖類を加えたもの名称が「加糖はちみつ」など。原材料名に「ぶどう糖果糖液糖」「水あめ」などが並ぶ
精製はちみつはちみつから、におい・色などを取り除いたもの名称が「精製はちみつ」。家庭用ではほとんど見かけない

「純粋はちみつ」とは:はちみつ以外のものが入っていないこと

公正競争規約では、「純粋」「Pure」は、はちみつ類以外のものが混入していないことを意味し、はちみつ類以外に表示してはならないと定めています。

ただし、「純粋」と書いていないはちみつが純粋でないわけではありません。規約で「はちみつ」と名乗れるのは、みつばちが集めた天然の甘味物質で、水分や糖の組成の基準に合うものだけです。名称が「はちみつ」で、原材料名にほかのものがなければ、中身ははちみつだけです。

「加糖はちみつ」との違い:糖類を加えた加工品

加糖はちみつは、はちみつに異性化液糖などの糖類を加えたものです。以前は規約の「はちみつ類」に含まれていましたが、2019年(令和元年)5月の規約の変更で、精製はちみつなどと一緒に定義から外されました。一般の消費者向けの商品ではなくなったこと、国際的な食品規格(コーデックス)のはちみつの定義に含まれないことが理由です(全国はちみつ公正取引協議会)。

東京都の消費生活条例にもとづく基準では、加糖はちみつ(はちみつが重さで60%以上のもの)は、品名を「加糖はちみつ」とし、加えた糖類の割合を表示します。実際に業務用では、原材料名が「はちみつ(中国)60%、ぶどう糖果糖液糖、水飴」と書かれた「加工はちみつ(加糖)」が売られています(楽天市場の業務用食材店の商品ページ)。「はちみつシロップ」なども、原材料名の最初が何かを見れば、はちみつそのものかどうかがわかります。

「精製はちみつ」とは:においや色を取り除いたもの

精製はちみつは、はちみつからにおいや色などを取り除いたものです。協議会の解説では、花粉の多くを取り除いたり脱臭・脱色したりした加工品は「はちみつ類」に当たらず、国際的なルールでも単に「はちみつ」とは名乗れない「Filtered honey」とされています。協議会は、加糖はちみつと精製はちみつは、すでに一般の消費者向けの商品ではなくなったとしています。

見分け方は2か所だけ

一括表示の「名称」が「はちみつ」か。「原材料名」に、ぶどう糖果糖液糖・水あめ・砂糖など、はちみつ以外の言葉がないか。この2か所を見れば、純粋なはちみつかどうかは判断できます。

名称は「はちみつ」、原材料名は「はちみつ」だけ。協議会の会員の加藤美蜂園本舗の純粋ハチミツは、1kgで1,660円(Amazon.co.jpが販売)です。

「国産」「○○県産」「花の名前」を書ける条件

産地や花の名前は、はちみつの値段を大きく左右する情報です。そのため規約では、それぞれ書いてよい条件がはっきり決められています。

「国産」「県名」「花の名前」を書ける条件(公正競争規約)
表示書ける条件ラベルの例
国産「国産」とだけ書くなら、原料の蜜のすべてが国内で採れたものはちみつ(国産)
○○県産・地名国産品なら、「国産」の代わりに採れた場所の都道府県名や、広く知られた地名を書けるはちみつ(岐阜県産)
花の名前すべて、または大部分がその花から採れ、その花の特徴があり、採蜜国名も書くことアカシアはちみつ(ハンガリー)
ブレンドの花の名前それぞれの花のはちみつが重さで5%以上。多い順に書くアカシアはちみつとレンゲはちみつのブレンド
○○はちみつ入りその花のはちみつの重さの割合を、近くか一括表示に書くマヌカはちみつ入り(○%)

「国産」と書けるのは、蜜のすべてが国内で採れたものだけ

規約では、「国産」という言葉を表示するなら、原料の蜜のすべてが国内で採蜜されたものでなければなりません。国産と外国産を混ぜたはちみつは、「国産、中国」のように、重さの多い順にほかの国と並べて書きます。

なお水分の基準は、輸入品の20%以下に対し、国産は22%以下です。協議会は、雨の多い日本の気候で花の蜜の水分が多いためと説明しています。

「○○県産」と書けるとき

国産品は、食品表示基準にもとづいて、「国産」の代わりに採蜜地の都道府県名や、一般に知られている地名を書けます。養蜂場が自分で採った蜜を売る商品には、さらに詳しく書いているものもあります。たとえば岐阜県の春日養蜂場は、原材料名「はちみつ(国産)」に加えて、産地を「岐阜県不破郡垂井町」と町名まで書き、種類ごとの採蜜年月と採蜜者の名前も載せています(楽天市場の同店の商品ページ)。

町名・採蜜年月・採蜜者まで書かれた国産はちみつ。春日養蜂場の600g×2本は、楽天市場のレビューが900件以上あります。

花の名前を書けるとき

「アカシアはちみつ」のように、1種類の花の名前をつけたはちみつを単花蜜(たんかみつ)といいます。規約では、はちみつのすべて、または大部分をその花から採っていて、その花の特徴があり、採蜜国名も書くことが条件です。

表示した花と違う花のはちみつを混ぜることもできません。武州養蜂園の「アカシア蜂蜜 花の露」は、原材料「アカシア蜂蜜」、原産地「中国」と、花の名前と採れた国がセットになっている例です(同社の公式ショップ)。

花の名前をつけないはちみつは百花蜜(ひゃっかみつ)です。百花蜜の容器に、特定の花から採ったと誤解されるような花の絵を描くことは禁止されています。

マヌカハニーだけは特別なルール

マヌカハニーは、ニュージーランド政府が決めたマヌカの成分と花粉の基準を、日本の規約も取り入れています。商品名にそのまま「マヌカハニー」と書けるのは、基準を満たす「モノフローラル(単花蜜)」だけです。

マヌカの成分が一定以上含まれる百花蜜は「マルチフローラルマヌカハニー」と表示し、原材料名は「はちみつ」とします。詳しくはマヌカハニーはどこで売ってる?のラベルの章で解説しています。

国産はちみつは本物?ラベルと価格で確かめる

農林水産省の資料では、2024年の国内生産量は2,618トン、輸入量は45,416トンで、はちみつの自給率は5.5%です。輸入の71.3%は中国から。

国産のはちみつの卸売価格は1kgあたり平均1,900円で、輸入はちみつの輸入価格(1kgあたり456円)の4倍以上です。国産は少なく高いからこそ、「国産」の表示が値段に直結します。実際の商品の100gあたりの価格を比べると、次のようになります。

産地の表示ごとの100gあたりの価格
  • 複数国のブレンドサクラ印 純粋ハチミツ 1kg 166円
  • 中国産アカシア武州養蜂園 花の露 500g×2 285円
  • 国産(岐阜県)春日養蜂場 600g×2 617円
  • 国産武州養蜂園 国産純粋蜂蜜 750g 893円

各商品の通販の表示価格(税込)を100gあたりに換算。送料・ポイントは含みません。価格は変わることがあります。

この4商品では、国産のはちみつは複数国のブレンドの約3.7〜5.4倍の価格です。相場から見て安すぎる「国産」は、まずラベルの原材料名と原料原産地名を確かめましょう。そのうえで、次のような点がそろっていれば、より安心して選べます。

  • 「国産」だけでなく、都道府県名や地名、採蜜年月、採蜜者まで書かれている
  • 製造者(養蜂場やメーカー)の名前・住所がはっきりしていて、問い合わせができる
  • 全国はちみつ公正取引協議会の会員の商品で、会員証紙がついている

国産のはちみつの選び方とおすすめの通販は、国産はちみつのおすすめ通販で詳しく紹介しています。

原産国の表示:輸入品と、採れた国が複数のとき

はちみつのラベルには、国を表す欄が2種類あります。「原料原産地名」と「原産国名」です。似た言葉ですが、意味が違うので注意してください。

「原料原産地名」と「原産国名」の違い
欄意味書かれる商品
原料原産地名はちみつが採れた国(採蜜国)主に、輸入した蜜を日本でろ過して容器に詰めた商品。原材料名のかっこ内に書くことも多い
原産国名原料の蜜がろ過され、容器に詰められた国外国で容器に詰めてから輸入した商品だけ

たとえば加藤美蜂園本舗(サクラ印)は、輸入したはちみつを検査したうえで、国内の工場で何度もろ過してから容器に詰めています(同社の品質管理のページ)。こうした商品は日本で作られた扱いになるため「原産国名」の欄はなく、採れた国は原材料名のかっこ内などに書かれます。

一方、マヌカハニーのように現地で詰めて輸入した商品は、「原産国名」に国名が入り、日本語のラベルに輸入者が書かれます。マヌカヘルスの正規品なら、原産国がニュージーランド、輸入元が富永貿易です(楽天24の商品ページ)。

採れた国が複数のときの書き方

いくつかの国のはちみつを混ぜたときは、重さの割合が多い国から順に書きます。3か国以上なら、2番目までの国を書いて「その他」とし、3番目以降を省略してよいことになっています(施行規則第2条)。

つまり、かっこ内の最初の国が、いちばん多く入っている国です。実際の商品のラベルと、規約の解説の例を並べました。

採れた国の書き方の例
ラベルの書き方読み方出典
はちみつ(国産)国内で採れた蜜だけ春日養蜂場の商品ページ
はちみつ(アルゼンチン、カナダ)アルゼンチン産が多く、次にカナダ産サクラ印 アルゼンチン産&カナダ産純粋はちみつ(加藤美蜂園本舗)
はちみつ(中国、アルゼンチン、ニュージーランド、カナダ、その他)中国産がいちばん多く、5か国以上のブレンドサクラ印 純粋ハチミツ(加藤美蜂園本舗)
オレンジはちみつ(メキシコ、スペイン、アルゼンチン)、レモンはちみつ(アルゼンチン、スペイン)2種類の単花蜜のブレンドで、それぞれに採れた国を書いているサクラ印 柑橘の花の純粋はちみつ(加藤美蜂園本舗)
はちみつ(アカシア、レンゲ、ひまわり)(ハンガリー)1つの国で採れた3種類の花のはちみつ全国はちみつ公正取引協議会の解説の例
原産国名 ニュージーランドニュージーランドで詰めて輸入した商品マヌカヘルス MGO263+(楽天24の商品ページ)

同じ「純粋はちみつ」でも、国産だけのもの、1つの国のもの、いくつもの国をブレンドしたものがあります。ブレンドは味をそろえやすく価格も手ごろなので、毎日たっぷり使う人に向いています。採れた国や花にこだわりたいなら、かっこ内の国が1つのものを選びましょう。

通販の「原産国:日本」は、採れた国とは限らない

通販サイトの商品情報にある「原産国」は、採れた国ではなく、容器に詰めた国を指していることがあります。たとえばAmazonのサクラ印 純粋ハチミツ(1000g)の商品情報では「原産国名:日本」となっていますが、メーカーの公式カタログを見ると、原材料名は「はちみつ(中国、アルゼンチン、ニュージーランド、カナダ、その他)」です。採れた国を知りたいときは、商品画像のラベルか、メーカーの公式サイトで原材料名を確認してください。

なお、国内で作られるすべての加工食品に、重さが最も多い原材料の産地を書く「原料原産地表示制度」は2017年に始まり、2022年から完全に実施されています(消費者庁)。はちみつは、この制度とは別に、規約でも採れた国の書き方(重さの多い順、3か国以上は「その他」など)が細かく決められています。

かっこ内の国の並びを確かめられる例:サクラ印 純粋ハチミツ(1000g)は、原材料名に5か国以上の採蜜国が書かれています。

「生」「非加熱」「天然」「完熟」などの表示の扱い

はちみつの商品名やパッケージには、「生」「非加熱」「天然」「完熟」といった言葉もよく使われます。これらは一括表示の必須項目ではなく、売り手が任意に書く言葉です。規約では、次のように扱いが決められています。

任意の表示と、規約での扱い
表示規約での扱い
純粋・Pureはちみつ以外のものが入っていない場合に使える
天然・生・完熟・ピュア・ナチュラルこうした意味の言葉を使うときは「純粋」か「Pure」に統一する。「天然」「生」「完熟」を使えるようにするかは検討中
非加熱規約に定めはない。協議会は、世界共通の定義はないとしている
有機・オーガニック日本と同等と認められた外国の公的な有機認証を受けたはちみつで、その認証マークがついた輸入品か、バルクで輸入して国内の加工の全段階で有機の信頼性を保って製品にしたもの
特選・高級・デラックス全国はちみつ公正取引協議会の承認が必要

「生はちみつ」「非加熱」に決まった定義はない

協議会のよくある質問では、「生はちみつ」に世界共通の定義はなく、一般には巣から採ったままのもの、または比較的低い温度で温めて粗くろ過したものを指す、と説明しています。「非加熱」も共通の定義はなく、巣の中の温度(およそ38度)くらいで温めることを指す場合もあるようです。

ふつうの製造工程では、ろ過の前に、結晶したはちみつを湯せんなどで温めて溶かします。協議会は、温めると香りが変わるため、本来の香りを楽しみたい人はあまり加温していないものを選ぶとよい、としています。一方で、料理に使う場合や香りが苦手な人には、香りが少なくなったもののほうが向いていることもある、と説明しています。

「生」と書いた商品は、規約に参加していない会社のもの

規約に参加している会社は、「生」「天然」「完熟」を商品に書けません。そのため、「生はちみつ」「完熟」と書かれた商品は、ふつうは協議会の会員ではない会社や養蜂場のものです。

会員でないから品質が悪いわけではありませんが、言葉の意味は売り手ごとに違います。何度以下で温めたのか、ろ過はどの程度かなど、商品ページの説明まで読んで判断しましょう。

「生」「非加熱」のはちみつの選び方と売っている店は、生はちみつはどこで売ってる?で詳しく紹介しています。

「加熱しない・何も混ぜない」と書かれた国産はちみつ。静岡・浜松の養蜂家の商品で、楽天市場の評価は4.86です。

公正マーク(会員証紙)とは

はちみつの容器に、赤い楕円形のマークがついていることがあります。これは全国はちみつ公正取引協議会の「会員証紙」で、一般に公正マークとも呼ばれます。マークには「全国はちみつ」「公正取引」「協議会員之証」の文字が入っています(規約の施行規則に図柄が載っています)。

協議会の解説によると、証紙を使えるのは、容器の表示が規約どおりで、品質の基準(組成基準)にも合っている会員のはちみつです。協議会は毎年、すべての会員から製品を提出してもらい、表示が正しいか、組成基準に合っているかを民間の研究機関に頼んで調べています。

会員になっている主な会社

協議会の会員名簿では、正会員は49社、賛助会員(輸入商社)は7社です。正会員には、たとえば次のような会社があります。

  • 加藤美蜂園本舗(サクラ印)、日新蜂蜜、日本蜂蜜(レンゲ印)、正栄、マルミなどのはちみつメーカー
  • 武州養蜂園、杉養蜂園、山本養蜂園、長坂養蜂場、水谷養蜂園、クインビーガーデン、秋田屋本店、アピなどの養蜂園・はちみつ会社
  • 百貨店などに店を出す、はちみつ専門店のL'ABEILLE(ラベイユ)

証紙は「使わせることができる」もので、会員の商品にいつも印刷されているとは限りません。また、小さな養蜂場など会員でない生産者も多いので、マークがないことだけで品質を判断することはできません。マークは「表示のルールを守り、検査を受けている会社の商品」という目印として使うのがよいでしょう。

安すぎる輸入品の「偽物はちみつ」問題

全国はちみつ公正取引協議会は2025年、会員ではない14社の中国産の安価な輸入瓶詰はちみつについて、米などから作ったシロップが混ぜられた「偽物はちみつ」の疑いがあるとして、消費者庁に情報を提供しました。協議会の検査で、はちみつなら一定以上あるはずの数値が検出されず、シロップが加えられたときの目印になる成分が一定量以上見つかったためです。ラベルに「はちみつ」と書いてあっても、相場よりあまりに安い商品には注意が必要です。

1歳未満の乳児への注意表示

はちみつのラベルには、「1歳未満の乳児には与えないで下さい。」または「1歳未満の乳児には食べさせないで下さい。」という注意書きがあります。規約は、乳児ボツリヌス症を防ぐため、この文言を容器にはっきり書くことを会員に義務づけ、加熱すれば安全だと誤解されるような表示をしないことも定めています。

厚生労働省は、食品事業者に向けて、はちみつとはちみつを含む食品に「1歳未満の乳児には与えないで下さい。」という情報を、表示などでわかりやすく伝えるよう求めています。

1歳未満の赤ちゃんには、はちみつを与えない

1歳未満の赤ちゃんがはちみつを食べると、乳児ボツリヌス症にかかることがあります。原因のボツリヌス菌は熱に強く、通常の加熱や調理では死にません(厚生労働省)。

はちみつそのものだけでなく、はちみつ入りの飲み物やお菓子も与えないでください。どの種類・どの産地のはちみつでも同じで、「生」「非加熱」かどうかも関係ありません。

厚生労働省は、1歳以上の人にとってはちみつはリスクの高い食品ではないとしています。小さな子どもがいる家庭への贈り物では、相手に一言添えると安心です。

結晶化(白く固まる)と品質

はちみつが白く固まるのは、結晶化という自然な現象です。規約も、はちみつの性状を「結晶を生ずることがある(花の種類や保存の条件で結晶の速さが大きく違う)」と定めています。結晶しても、品質が悪くなったわけではありません。

協議会によると、はちみつに多く溶けているぶどう糖が、気温が下がったときなどに結晶します。果糖の割合が多いアカシアは結晶しにくく、ナタネやソバは結晶しやすいはちみつです。結晶はカビのように見えることもありますが、はちみつにカビは生えません。

「固まらないはちみつは偽物」は誤解

「本物のはちみつは固まる」「固まらないのは偽物」という話がありますが、協議会は、結晶するかどうかだけではちみつの良し悪しはいえない、としています。加藤美蜂園本舗も、結晶するまでの時間は花の種類や保管のしかたで違い、条件がそろっても固まらない場合もあると説明しています。同社は結晶しやすい条件として、ぶどう糖が果糖より多い、気泡があって振動が加わる、気温が15〜16℃以下になる、温度の差が大きい、長く保存している、を挙げています。

本物かどうかは、固まり方ではなく、ラベルの名称・原材料名・製造者と、価格の妥当さで判断するのが確実です。

結晶したときの戻し方

結晶したはちみつは、フタを外して湯せんで少しずつ温め、かき混ぜながら溶かします。協議会は60℃以上にならないように、と呼びかけています。

メーカーの案内では、加藤美蜂園本舗が50〜60℃くらいのお湯で30分〜1時間、武州養蜂園が45℃前後のお湯に1〜2時間つける方法を紹介しています。電子レンジは温度の調節が難しいため、加藤美蜂園本舗はすすめていません。

はちみつは常温で保存します。冷蔵庫に入れると結晶しやすくなるため、夏でも冷蔵庫に入れる必要はありません(加藤美蜂園本舗)。賞味期限は、多くのメーカーが容器に詰めてから2年としていて、未開封で期限を過ぎても安全性に問題はないものの、風味が変わっていることがあります(協議会)。

ラベルで選ぶときのチェックリスト

ここまでの内容を、買う前に確かめたい順にまとめました。店頭でも通販の商品画像でも、この順に見ていけば迷いません。

  • 名称は「はちみつ」か

    「加糖はちみつ」「シロップ」など、ほかの名前なら、はちみつ以外のものが入っています。

  • 原材料名に、はちみつ以外の言葉がないか

    ぶどう糖果糖液糖・水あめ・砂糖などが書かれていないかを見ます。「純粋」の文字の有無より確実です。

  • かっこ内の採れた国と、その順番

    最初の国がいちばん多く入っている国です。「その他」は3番目以降の国をまとめた表示です。

  • 「国産」「○○県産」の書き方

    「国産」とだけ書けるのは、蜜のすべてが国内で採れたものだけ。外国産と混ぜたものは「国産、中国」のように並べて書かれます。

  • 花の名前には、採れた国が添えられているか

    規約では、花の名前を書くときは採蜜国名も書く決まりです。花の絵だけで花の名前がない場合は百花蜜です。

  • 輸入品は「原産国名」と「輸入者」

    外国で詰めた商品には、原産国名と日本の輸入者が書かれています。マヌカハニーは、正規の輸入元かどうかもここで確かめられます。

  • 製造者・販売者の名前と住所

    表示に責任を持つ会社です。問い合わせ先がはっきりしているかを見ます。

  • 「1歳未満の乳児には与えないで下さい」の注意書き

    規約の会員は、この表示が義務づけられています。贈り物にするときは、相手の家庭に小さな子どもがいないかも気にかけましょう。

  • 会員証紙(公正マーク)

    ついていれば、表示のルールを守り、毎年の検査を受けている会員の商品です。

  • 100gあたりの価格が相場から外れていないか

    内容量で割って100gあたりで比べます。国産なのに輸入品並みに安い、といった商品は、もう一度ラベルを確かめましょう。

純粋はちみつはどこで売ってる?

純粋はちみつは、特別な店でしか買えない商品ではありません。ここまで見てきたとおり、名称が「はちみつ」で原材料がはちみつだけなら、「純粋」と書いてあってもなくても中身は同じです。

たとえば定番の加藤美蜂園本舗のサクラ印 純粋ハチミツは、楽天市場ではドラッグストアや食品卸の店も扱っています。スーパーやドラッグストアで買うときも、商品名の「純粋」より、裏の一括表示を確かめてください。

国産や単花蜜を手に取って選びたいなら、はちみつ専門店や養蜂場の直営店、道の駅などが候補になります。近くの店の探し方ははちみつ専門店の探し方で、地域ごとの店は次のページで紹介しています。

ただ、今日すぐに必要でなければ、通販で選ぶほうが確実です。はちみつは糖度が約8割と高く、水分が少ないため常温で長く保存でき(全国はちみつ公正取引協議会)、届くまで数日待っても困りません。通販なら、同じ商品を何店かで比べられ、商品画像やメーカーの公式サイトでラベルの原材料名まで確かめてから買えます。

協議会の会員が詰めた、原産地「国産」のはちみつ。武州養蜂園の公式ショップなら、750gの瓶1本で送料無料の条件を満たします。

ラベルの表示がはっきりしたおすすめのはちみつ

ここまでのチェックリストに沿って、名称・原材料名・採れた国・製造者(輸入者)が商品ページやメーカーの公式サイトで確かめられる商品を、目的別に選びました。価格は変わることがあるため、最新の価格は各ショップで確認してください。

カードの「蜜の色」について色の濃さの目安です。淡い蜜ほどクセが少なく、濃い蜜ほど風味が強い傾向があります。

編集部のおすすめ

町名・採蜜年月・採蜜者まで知りたい

春日養蜂場 国産はちみつ 選べる600g×2本

春日養蜂場 国産はちみつ 選べる600g×2本

種類
国産はちみつ
産地
岐阜県垂井町(自社採蜜)
価格
7,400円(100gあたり617円)
  • 自社で採った岐阜県産の蜜
  • 採蜜した年月と採蜜者を表示
  • 1本600gで、毎日使う人向け

岐阜県垂井町の春日養蜂場が、自分たちで採った蜜を詰めた国産はちみつです。原材料名「はちみつ(国産)」に加えて、産地を町名まで書き、種類ごとの採蜜年月と採蜜者の名前も公開しています。

楽天市場のレビューは950件以上で評価4.81。少量で試すなら90g×3本のお試しセット(2,900円・送料無料)もあります。

協議会の会員が詰めた国産はちみつ

武州養蜂園 国産純粋蜂蜜 750g(瓶)

武州養蜂園 国産純粋蜂蜜 750g(瓶)

種類
国産はちみつ(四季の花)
産地
国産
価格
6,696円(100gあたり893円)
  • 季節の花から採れた国産の純粋はちみつ
  • 1本で送料無料の条件(6,000円以上)を満たす
  • 楽天市場(8,756円)より公式ショップが安い

埼玉・熊谷の武州養蜂園の国産はちみつで、公式ショップの表示は原材料「はちみつ」、原産地「国産」。同社は全国はちみつ公正取引協議会の正会員で、理事も出しています。公式ショップは6,000円以上で送料無料なので、この瓶1本で条件を満たします。

毎日たっぷり使う純粋はちみつ

加藤美蜂園本舗 サクラ印 純粋ハチミツ 1000g

加藤美蜂園本舗 サクラ印 純粋ハチミツ 1000g

種類
純粋はちみつ(ブレンド)
産地
中国・アルゼンチン・ニュージーランド・カナダ・その他
価格
1,660円〜(100gあたり166円)
  • 原材料名は「はちみつ(中国、アルゼンチン、ニュージーランド、カナダ、その他)」
  • 製造者は全国はちみつ公正取引協議会の会員の加藤美蜂園本舗
  • 賞味期限は製造日から2年

協議会の会員の加藤美蜂園本舗が作る、サクラ印の定番のブレンドです。複数の国のはちみつを混ぜて味をそろえていて、Amazon.co.jpの販売価格は1kgで1,660円。料理やお菓子づくりにも使いやすい価格です。

花の名前で選ぶ(アカシア)

武州養蜂園 アカシア蜂蜜 花の露 500g×2本

武州養蜂園 アカシア蜂蜜 花の露 500g×2本

種類
アカシア
産地
中国(山東省)
価格
2,849円〜(100gあたり285円)

原材料「アカシア蜂蜜」、原産地「中国」と、花の名前と採れた国がはっきり書かれた単花蜜で、製造者・販売者は武州養蜂園です。たれにくいキッチンボトル入りの500gが2本で、公式ショップは送料込みの2,849円。楽天市場の同店のレビューは1,700件以上です。

輸入品のラベルを確かめて選ぶ(マヌカハニー)

マヌカヘルス マヌカハニー MGO263+/UMF10+ 250g

マヌカヘルス マヌカハニー MGO263+/UMF10+ 250g

種類
マヌカハニー
産地
ニュージーランド
価格
4,300円〜(100gあたり1,720円)
  • ラベルにMGO263+とUMF10+を併記
  • Amazon.co.jpが販売する正規品
  • メーカー公式ストア(5,940円)より安い

ニュージーランドで詰めて輸入されるマヌカハニーです。マヌカヘルスの日本の正規代理店は富永貿易で、正規輸入品の側面の日本語ラベルには「輸入者:富永貿易株式会社」と書かれています(マヌカヘルス公式)。ラベルにはMGO263+とUMF10+の両方の数値があります。

よくある質問

純粋はちみつとは何ですか?

はちみつ以外のものが混ざっていないはちみつのことです。業界の表示ルール(公正競争規約)では、「純粋」「Pure」は、はちみつ類以外のものが混入していない場合にだけ使えます。名称が「はちみつ」で原材料名がはちみつだけなら、「純粋」と書いていなくても中身は同じです。

純粋はちみつと加糖はちみつの違いは何ですか?

加糖はちみつは、はちみつに異性化液糖などの糖類を加えたものです。東京都の消費生活条例にもとづく基準では、品名を「加糖はちみつ」とし、加えた糖類の割合を表示します。原材料名に「ぶどう糖果糖液糖」「水あめ」などがあれば、純粋なはちみつではありません。

「国産」と書いてあれば、すべて国内で採れたはちみつですか?

公正競争規約では、「国産」とだけ表示できるのは、原料の蜜のすべてが国内で採れたものに限られます。外国産と混ぜた場合は「国産、中国」のように、重さの多い順にほかの国と並べて書きます。国産品は「国産」の代わりに都道府県名などを書くこともできます。

通販の商品情報に「原産国:日本」とあれば国産ですか?

そうとは限りません。輸入した蜜を日本で容器に詰めた商品は、日本で作られた扱いになるためです。採れた国は、ラベルの原材料名のかっこ内か、原料原産地名の欄で確かめてください。

「中国、アルゼンチン、その他」の「その他」とは何ですか?

3か国目以降の採れた国をまとめた表示です。採れた国が3か国以上のときは、重さの多い順に2番目までの国を書き、残りを「その他」とすることが認められています。最初に書かれた国が、いちばん多く入っている国です。

白く固まらないはちみつは偽物ですか?

いいえ。結晶するまでの時間は、花の種類や保管のしかたで大きく違います。アカシアのように果糖の多いはちみつは結晶しにくく、全国はちみつ公正取引協議会も、結晶するかどうかだけで良し悪しはいえないとしています。本物かどうかは、ラベルの名称・原材料名・製造者で確かめましょう。

純粋はちみつはどこで売っていますか?

スーパーやドラッグストアのはちみつ売り場、はちみつ専門店、養蜂場の直営店などで買えます。名称が「はちみつ」で原材料がはちみつだけなら、「純粋」の文字がなくても中身は同じです。急がないなら、ラベルの原材料名を確かめてから買える通販が便利です。

まとめ

はちみつのラベルは、一括表示の「名称」と「原材料名」で中身を、かっこ内の国名や「原料原産地名」「原産国名」で採れた国と詰めた国を読み取れます。「純粋」ははちみつ以外のものが入っていないという意味で、「国産」とだけ書けるのは蜜のすべてが国内で採れたものだけです。

「生」「非加熱」には決まった定義がなく、結晶するかどうかも本物の目印にはなりません。名称・原材料名・採れた国・製造者を確かめ、100gあたりの価格が相場から外れていないかを見れば、ラベルで失敗することはほとんどありません。1歳未満の赤ちゃんには、どのはちみつも与えないでください。

産地を町名まで

春日養蜂場 国産はちみつ 600g×2本

7,400円(100gあたり617円)

協議会の会員の国産

武州養蜂園 国産純粋蜂蜜 750g

6,696円(100gあたり893円)

毎日使う純粋はちみつ

サクラ印 純粋ハチミツ 1000g

1,660円〜(100gあたり166円)

花の名前で選ぶ

武州養蜂園 アカシア蜂蜜 花の露 500g×2本

2,849円〜(100gあたり285円)

このページの情報源

表示のルールは公正競争規約・施行規則と全国はちみつ公正取引協議会の解説、行政の公開資料をもとにしています。商品のラベルの内容と価格は、メーカーの公式サイトと、楽天市場・Amazon・武州養蜂園 公式ショップの商品ページの情報です。